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アイディア集A
 去る8月26日、27日に開催された「子どものための英語教育研究会」で紹介されたアクティ
  ビィティの中から、今回は「初めて英語と出会わせるときの活動」(講師 粕谷恭子)をご
  紹介させていただきます 
 「初めて英語と出会わせるときの活動」

  初めての英語の時間は、今から何が起こるのだろう、どんなことをさせられるのだろうと、
    子どもたちは緊張気味です。そんな子どもたちに、「隅から隅まで分かる訳ではないけど、
    聞いていればどうにかなるんだ。」「自分が思ったことを言ってみればいいんだ。」とい
    うことを感じてもらえる第一歩にしたいものです。
  
  子どもたちは、動物の名前、フルーツの名前、色、数字、その他、子どもたちが英語だと
    思っている語彙を既に沢山持っています。そのような語彙をふんだんに使って、なるべく
    日本語を使わずに、簡単な英語で、あれこれ子どもたちとやりとりをします。子どもたち
    に、語られる英語のところどころしか分からなくも、先生の表情やジェスチャー、目線や
    手の動きを見ながら聞いていると、どうにか分かる。自分の思うことを言ってみると、そ
    れを先生が受けとめてくれて、どうにかなる。ということを経験してもらうことを大切に
    しています。

  低学年と高学年では、英語に立ち向かう気持ちが違います。
  「Seven Steps」と「自己紹介(自分の名前を伝える)」などの活動を例に、扱い方の
     違いもご紹介します。
 
  低学年

  ●Seven Steps
       
     ※指を折って数を示しながら、Seven Steps を先生が歌って聞かせる。
   ※ボードに、「1」と色チョークで書き、This is one.  What color do you want for 
       two?   色チョークを見せながら、Pink?  Yellow?  Green? 反応してくれた子ども
       の意見を拾って、その色で「2」を書く、という要領で、1→7を書いていく。
   ※One is --.  Two is --.  と、1→7の色を確認後(ここで、数と色の言い方をinput
       している)、
   ※目をつぶって選んだチョークの色が赤だったからなど適当に理由をつけて、We wont' 
        sing the red ones.  Seven Steps を歌い始め、赤で書かれた数のところで口を押さ
       え、ここでは歌わないということを示す。という要領で、歌わない色を変えながら繰り
       返しSeven Steps を歌う。歌ってはいけないところで、つい歌ってしまう子がいるの
       が楽しくて、子どもたちの 緊張がみるみるほぐれていきます。

   ●What's your name?

     ※紙に、縦棒を1本描いて、What's this?  
       縦と横の線を描き加え、クラスの席の並びを簡単な絵で示したところで、再度 What's 
       this?
    子どもたちからは、線路だ、串だ、アンテナだ といろいろな案が出てくる。
    紙の一端を指して、Here is the blackboard.  (Hereで紙の端を指し、the blackboard
       で教室の黒板を指す。)同様に、This is the door.  This is that door.  と、指し示し
       ながら伝えていくと、「教室からもしれない」ということを子どもたちは理解していく。
     ※前列端の生徒に、What's your name? と尋ね、その子の名前を平仮名で先ほどの紙の
       彼女の席の箇所に書き込み、○○ is here. と子どもたちに見せると、先生が何をしよう
       としているのかを理解し、自分の名前を言えばいいのだ ということも分かる。
     ※子どもたちの集中力を保つためは、前から順番にというのではなく、渦巻き型の順番で
       名前尋ねていく。途中でだらけてしまいそうな時には、ABCの歌を歌う等して、子ども
       の気持ちを一つにして整える。
   ※座席表が完成すると、「自分も貢献してこの表が出来たんだ」という嬉しさが生まれる
       ようだ。

   ※What's your name? の質問は、相手の名前を覚えてからでは意味のない活動となって
       しまうので、「初めてのレッスンの日」を大切にしたい。

  ●○○ゲーム

  ※ボードに、○をいくつか描き、その1つを指して、What's this? 
      子どもからの反応がなければ、This is an apple. と先生が言って、○をapple の絵に仕
      上げる。何をするのかが分かると、子どもたちからいろんなアイディアが出てくるので、
      子どもの意見を拾って、It's a peach. と言いながら絵を仕上げていく。 
  ※子どもからの答えは、日本語でもOK. 
   S:ボールー!
   T:Oh, it's a ball.  Do you like baseball?   Do you like soccer?   You like soccer.
          So, this is a soccer ball. というような要領で英語を聞かせながら絵を描いていく。
  ※'lemon'等、丸ではない形のものを言ってきた時も、その意見を採り入れるようにする。
    

   高学年

   ●先生の自己紹介→子どもたちの名前も知る

   ※Do you know my name?  Is my name Ms.大橋?  Is my name Ms. 斉藤? 等、担任
       の先生や校長先生など、子どもたちが知っている名前で聞いてみると、ちがうよ!と
       いう反応と共に、今何について先生が言っているのかを子どもたちは理解する。
   ※My name is かすや. と平仮名で書く。
    かすやの後に、_ _ _ _ と描き、There are four ひらがな.   What's my first 
       name? じゅんこ、りょうこ、さくらこ、etc 生徒の意見を拾って平仮名で書いていき、
   ※その後、My name is not じゅんこ.  My name is not さくらこ. と名前を消していく。
     (My name is not --. と否定形も聞かせられる。)、最後の2つ になったら、 Who 
       thinks my name is きょうこ?  Who thinks my name is しょうこ?で当ててもらう。

   ※Do you know how to write 'かす' in 漢字?  
      My name has rice. と言いながら、米へんを書き、つくりの部分にを書いて、What 
       comes here?   I'll give you a hint.  My name has a color.  Is it blue?  Is it yellow? 
   ※子どもの意見(日本語だったり英語だったりする)を拾って、色の名前を漢字で書いて
       いき、ある程度たまったら、How many colors do we have on the board?  Let's 
       count them.  One, two, three, .. , and they are blue, yellow, green, ..とやりとり
       をしながら進める。
    '粕'は子どもたちが知らない漢字なので、子どもからは様々な色の名前があがり、色の
       言い方や数の練習ができることになる。
   ※This 漢字 doesn't have yellow.  It doesn't have red. と言いながら、生徒に漢字を
       消していってもらう。(子どもたちにとっては、「どれが正解なんだろう」という活動
       でしかないが、すらすら消せるのか、もたもたするのか、その様子で子どもの理解度を
       チェックできることになる。)
   ※色や数の言い方は、早めに入れておきたい語彙。例えば、数が分かれば、個数や人数が
       言える、時間が言える、重さや長さが言える、年号が言える等、様々な分野で役に立つ。
   
   ※漢字カードを見せながら、Sit Down Game
        Those who have a well in your names, ・・石井さん? sit down. Those who 
        have a mountain, ・・what's your name?  山本さん?,  sit down.   What's your  
        name? 中山さん? Sit down. の要領で生徒の名前を聞いていく。どの字も該当しな
    かった子には、What's your name? と尋ねて座ってもらう。

   ●Seven Steps(二進法で指を折りながら歌う)

   ※親指を指して、This is 1.   人差し指を指して、This is 2.  中指を指して、This is 
    ・・?   This is 1, and this is 2.   This is 2, and this is ?    This is not 3. This is ?  
        This is 4.   薬指を指して、This is? ・・8. 小指を指して、This is ? ・・16.
       
    ※指を折りながら、歌い始める。
    One (親指),   two(人差し指),   three(人差し指+親指),   four(中指),   five(中指+
       親指),  six(中指+人差し指),   seven(中指+人差し指+親指).
    この方法ならば、高学年の知的レベルも満足させられます。


                                                     岩橋 加代子 (ぼーぐなん)

子どものための英語教育研究会セミナー第二弾(平成18年1月)のプログラムもアップしました。


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