ぼーぐなん教材が可能にする「文字指導」 

まえがき

 小中連携について考える時、必ずと言っていいほど直面する課題が「文字指導」です。
中学校で検定教科書に出会い、「読む・書く」の急斜面を一気に上らなければならないという壁に戸惑い、英語嫌いになってしまう子どもたちは少なくありません。といって、
小学校ではリスニングを大切にした音声指導を!、という基本姿勢を少しでも崩すのは
危険です。そんな問題に触れるたびに思うのは、「教材」の役割です。

 私、岩橋は、もうひと昔も前のことではありますが、ぼーぐなん English School で、
久埜百合著のぼーぐなん教材を使いながら幼稚園年長〜小学校6年生を指導してきまし
た。そして、一部の子どもたちは中学校3年生まで指導し、子どもたちの英語力を見取
ってきました。小学生の子どもたちと一緒に使った久埜百合著の教材は、子どもたちの
発育段階に応じて、文字が添えてあります。リスニング重視で音声の基盤を築くことを
第一としながらも、そこに効果的に添えてある文字は、とても自然な形でスピーキング
を支えたり、リーディング・ライティングへの関心の芽を少しずつ上手に育んでくれま
した。

 その後、公立小学校での英語教育を考えるようになってからは、現場の先生方が特定
の教材を購入しなくても出来ること、ということを常に心がけて、「ぼーぐなん広場」
の編集をしたり、研修に携わったりしてまいりました。「久埜先生と一緒に運営してい
る、ぼーぐなんHPのサイトは、教材販売のためのサイトではない」という姿勢を保つ
ために、敢えて、ぼーぐなんの教材のよさのPRは控えてきたわけですが、近年、「小
中連携と文字指導」の課題に直面する度に、「文字指導は、子どもの気づきと学びを支
える教材なしでは難しい」、「ここに良い教材があります!」と、声を出したい気持ち
にかられていました。そこで、久埜百合先生とご一緒に、意を決して、この「ぼーぐな
ん教材 もじもじ・コーナー」を立ち上げました。ぼーぐなん教材の中で、子どもたち
はどのように「文字」に出会っているのかを、シリーズ編としてご紹介させて頂きます。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。                岩橋加代子


 このコーナーでは、「ぼーぐなんの教材を使っていたら、‘読む力’や‘書く力’は
つくの?」ということを取り上げていきます。子どもは読めるようになる? 勿論、読
めるようになります。
 ‘EXIT’という文字を見せたら、即座に「非常口!」と言ってくれる子どもがいます。
英語の意味は「出口」ですが、日本での使い方は、まさに「非常口」です。テキストを
手にしたときの、子どもの目の動きをよく観察してください。読めるかどうかは別とし
て、読もうとしていることは確かです。 そんな子どもたちをどのように指導すると、
「読む力」が伸びていくのか、このコーナーで皆様とご一緒に考えていきましょう。
                               久埜 百合
「もじもじ・コーナー」

  はじめに  「子どもたちが英語を読む力を獲得するために」   久埜百合  

教材名の箇所をクリックしてください
教 材
教材説明の一部を紹介
Red Book pp.1-2探せるかな 自分でやれた、という成功体験を積んでいけるような仕掛け
を作っておくことが、教材の味付けとして重要です。
ミニABC Book ・・・などのゲームで盛り上がりながら、単語の最初の音を
表す文字を確認していきます。自分の両手に収まるサイズの
本は、しばらくの間、子どもたちのマスコットになります。
BINGO カード これが、後々フォニックスのルールを類推して発見する力の
基盤になっていると思われます。子どもたちが自分で考えて
知識を得ようとする逞しさを育てるのに、このささやかなカ
ードゲームが一役買っているのではないでしょうか。
Action 1 p.5The Alphabet Bは?Sは? と誘い掛けながら、文字の役割を嗅ぎ分ける
嗅覚を育てます。
Action 1 p.14 I am a whale.
I live in the sea.
I am a city.のような間違いは絶対に起こらないのです。
子どもって不思議!と心の中で呟いています。いつの間にか、
読んで、情報を得て、英語で答えているのです。
Action 1 p.18My Alphabet 子どもって、読めるところだけを読むのですね。
こんなところが、子どもの「読みの始まり」かな、と思って
います。